浮気にも時効がある?慰謝料請求の期限や時効を止める方法
「不貞行為」は重大な裏切り行為です。
『慰謝料請求』は不貞行為を行った配偶者とその相手から受けた精神的苦痛に対し、慰謝料として請求できる損害賠償のこと 。
不貞行為が相手の誘惑によるものか、自然に生まれた愛情によってのものなのかは関係なく、不貞行為自体に違法性があるとして請求が認められています。
慰謝料請求にも『時効』があるのご存知ですか?
探偵事務所に浮気の調査を依頼し夫の浮気の事実を知って、分かっていたこと覚悟していたつもりでも受けたショックは大きく、しばらくは何もしたくない!考えたくない!と思ってしまうでしょう。
でも、ここが踏ん張りどころです。慰謝料請求の時効についての知識がないと、いつのまにか時効が過ぎてしまい、慰謝料請求が難しくなってくる恐れがあります。
年月が経っていくなかで意欲や怒りが収まり、もうどうでも良い・面倒くさいとなってしまうでしょう。相手の気持ちも同じで反省の気持ちも薄れていくでしょうから、早い段階で手続きをしましょう。
不貞行為による時効の期間
刑事犯罪などでよく耳にすると思いますが、時効15年とか時効20年などと同じものが浮気の慰謝料請求にもあるのです。
刑事犯罪では時効が過ぎると犯人を逮捕することができなくなりますが、浮気の慰謝料請求でも時効が過ぎると夫と浮気した相手から、確実な慰謝料請求ができなくなります。
「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも同様とする。』(民法724条)とあるように、慰謝料請求には3年と20年の期限があります。
■不貞行為とその相手を知ってから3年
この3年という時効ですが、『不貞行為の相手の氏名・住所を知ったときから』を起算日とします。
ですから、メールやLINEのやり取りなどで不貞行為があったことを知るだけでは、消滅しません。そのことから考えると、3年以上前に不貞行為があったが相手の氏名や住所は最近知ったということであれば、請求ができる可能性があるということです。
また3年が経過してしまった場合、不貞行為の相手には遺書量請求ができませんが、『夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6箇月を経過するまでの間は、時効は完成しない』(民法159条)から、配偶者の夫には慰謝料を請求することができます。
■不貞行為があったときから20年
『除斥期間(じょせききかん』といって、権利関係を速やかに確定するために設けられた期間で、その期間が終了すると権利が消滅します。期限を設けることで、慰謝料を巡った問題の早期解決を求めてます。
この20年の起算日は『不貞行為があったことを知ったときから』になります。
不貞行為による時効を止めるためには
時効によって期限が決められている慰謝料請求ですが、手続きによって途中で止めることができるのです。その方法は2つあります。
裁判上の請求を行う
1つは、訴訟の提起を行うため『裁判上の請求を行う』ことです。この手続きを行うとその時点で消滅時効期間が停止され、期間は数え直しとなりゼロからのスタートとなります。
裁判上の請求とは「支払督促」「民事調停の申立」「訴訟の提起」「即決和解の申立」をいいます。
催告を行う
もう1つの方法は、裁判上の請求の準備を整えるために行う『催告を行う』ことです。これは内容証明郵便の送付により行うことができ、請求の準備が整うまで一時的に時効を停止させることができます。
その後、6ヶ月以内に訴訟を提起すれば消滅時効期間はゼロにリセットされます。
夫の浮気で慰謝料請求したいと考えてる場合は、こうした時効の仕組みについても是非、覚えておいて下さい。